調達市場のドル 資金過剰とインフレ懸念が相まって、米連邦準備制度が近いうちに金融緩和のペースを緩めなければならないのではないかとの議論が投資家の間で高まっている。
債券トレーダーは、米金融当局のリバースレポ(RRP)ファシリティー利用額が示す短期市場のドル余剰を注視している。いわゆる量的緩和(QE)プログラムを現在の月額1200億ドル(約13兆2000億円)のペースから減速させるべきだというシグナルだと一部投資家は指摘する。一方で、RRPファシリティーは短期市場の安全弁としてのあるべき役割を果たしているだけだという主張や、余剰資金が増える複数の要因を指摘する声もある。
RRPの利用額は28日に、過去最高から幾分減少したものの、余剰資金の蓄積とそれがさらに増えるかどうかは米雇用統計と並んで今後数週間、トレーダーらにとっての焦点になるだろう。6月4日発表の米雇用統計は成長とインフレの真の強さをうかがう手掛かりになる。

クレディ・スイス・グループのストラテジスト、ジョナサン・コーン氏は、雇用と消費者物価という連邦準備制度の「二つの使命の達成に向けた進展が(引き締めの決定を左右する)最大の要因になるだろう」と述べた。
資産購入の漸減(テーパリング)についていつ議論すべきかについての当局者発言が 増えている。発言には経済が引き続き力強く成長し持続的なインフレが見込まれることが前提だとのただし書きが付くため、5月の雇用統計結果が短期市場の動向とともに、テーパリングと利上げの開始時期を巡る観測の主要な材料になる。
次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は6月15、16日に開催される。テーパリングを示唆する発言は8月のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で出る可能性もある。
短期金融市場のトレーダーらは現在、来年末までに18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度の政策金利引き上げを織り込んでいる。利上げ観測は4月後半に比べると約3bp後退した。利上げより前に債券購入を終了させる必要があり、アナリストの大半は購入終了と利上げ開始の間には幾らかの期間があるとみている。
10年物米国債利回りはここ数週間に若干低下し、歳出拡大を盛り込んだ米政権の予算案発表にもかかわらず、1.59%前後で推移している。一部のトレーダーは5月の雇用統計が長期金利上昇の動きを再燃させる可能性を警戒している。強い数字が出れば4月の期待外れが単月の減少だったことが示唆される。あるいは、4月の数字が今回修正される可能性もある。
ナットウエスト・マーケッツのデスク戦略グローバル責任者、ジョン・ブリッグス氏は、「市場のリスクは非対称で、利回り上昇に傾いている」とし、4月の数字が弱かったため5月についてのエコノミスト予想は控えめで、実績が予想を上回る可能性があると指摘した。「投資家は次に、消費者物価統計について心配し始めるだろう」と述べた。5月の消費者物価指数(CPI)は6月10日発表の予定。
原題:
Bond Traders Look to Jobs for Taper Clues While Cash Glut Grows(抜粋)
債券トレーダー、テーパリングの手掛かり求め雇用統計と短期市場注視 - ブルームバーグ
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