中国の高齢者向け市場に日本企業が熱い視線を送っている。パナソニックは人工知能(AI)などの技術を生かした「高齢者タウン」事業を開始。介護関連企業は日本で培ったノウハウを武器に、中国で事業を展開する。専門家は「中国の高齢者市場は今後も拡大し有望だが、日本のやり方を導入するだけでの成功は難しく、強みを磨くことが必要だ」と指摘する。(中国総局・坪井千隼)
◆トイレで健康チェック
「トイレではセンサーで血圧や心拍を測定し、健康状態を毎日チェックできます」。7月下旬、中国江蘇省
パナソニックが進めるのは、健康関連家電を導入した高齢者向け住宅街の建設だ。中国で養老事業を展開する「
各戸には次世代トイレのほか、睡眠時の身体データをもとに照明や空調を調整するハイテク寝室など健康関連設備を備える。パナソニック中国・北東アジア社の本間哲朗社長は、「日本で培った健康、生活技術を、中国の消費者に提供する」と意気込む。将来的には年間1万戸程度の販売を目指すという。
◆30年後は5億人市場
同社が中国の高齢者市場に注力する背景には、中国の急速な高齢化がある。昨年の国勢調査では、60歳以上人口は2億6400万人。総人口に占める割合は18.7%と10年前に比べ5.4ポイント上昇した。2050年ごろには5億人になるとみられている。
日本の介護、福祉業界も中国市場に進出している。介護大手「メディカル・ケア・サービス」(さいたま市)は、中国国内で計4施設を運営する。うち、山東省青島には中・高所得者向けの介護施設を昨年11月に開業。18年に天津に開設した認知症介護施設では、利用者にあえて自ら料理や食器洗い、掃除をやってもらい、自立を促す「日本式」を導入。同社の海外事業責任者は「きめ細かな日本式介護は高い評価をもらっている」と語る。
◆競争勝ち抜くカギとは
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