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Thursday, September 30, 2021

興隆するHRテック市場で、採用テックがなぜ今注目なのか?(前編) - ITmedia

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は組織・人事の世界でも急速に拡大している。HRテックという言葉が日本でも使われるようになって久しいが、製品領域でいうと主に3つの機能で市場が伸びている。

photo 写真はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 1つ目がコアHCM(基幹人事システム)領域で、従業員情報管理や異動・昇格・報酬変更・退職など一連の人事業務プロセス全体を担う機能である。従来のオンプレミス製品からクラウドソリューションへの移行が顕著だ。代表的な製品としてSAP SuccessFactorsのEmployee CentralやWorkday、Oracle HCMが挙げられる。

 2つ目がタレントマネジメント領域で、目標設定や評価、後継者管理、学習履歴管理、キャリア開発などの従業員全体の能力開発や将来の経営リーダー候補を育成支援する機能である。この領域でもSAP SuccessFactors、Workday、Oracleが世界的には主力であるがそれ以外にもCorner Stone on Demand、SumTotal Systems、Sava Software、近年では日本独自製品でカオナビ、タレントパレット、HRBrainなどが成長している。

 そして3つ目の成長領域が本テーマである採用テックである。

 世界的なマーケットリサーチ会社IDCの分析(Worldwide Talent Acquisition Technologies and Services Forecast, 2021-25)によれば、採用テックは20〜25年にCAGR4.5%で成長し、25年には1772億ドルの市場規模に達する見込みだ。

 20年はコロナ禍での緊急避難的な採用抑制が世界的に見られたが、現在はコロナ禍からの景気回復基調の中で、採用を再開する企業が増えている。加えてリモートワーク環境の浸透や、ニューノーマル時代の価値観の変容で、Z世代を中心に今の会社をあっさり辞めて、やりたいことを実現するために転職や起業に向かっていく“Great Resignation”(大辞職時代)と呼ばれる動きも起きている。こうした直近の動向を鑑みると、求職者だけでなく企業側の立場から見ても、今後一層デジタル・テクノロジーをてこに、採用の世界が効率化・高度化するであろう。

採用テックが今求められる2つの理由

 採用テックが今求められる理由は主に2つある。

 一つは人事側の業務オペレーション効率化、コスト削減への期待である。企業側から見ると、これまでの採用業務は一言でいえば人海戦術であった。

 大量の応募者と履歴書の受領、内示書や関連資料の送付を繰り返し、社内では面接官の手配や評価フィードバックの回収や催促を行う。自社の人事システムに応募者の基礎情報を入力するにしても、ほとんど紙ベースでやりとりをしていたので、非効率だった。リモートワーク環境では、もはや成り立たないような前時代的な業務プロセスだろう。今後は応募書類、応募者情報管理、面談結果管理などのデータベース化、電子ワークフロー化がなされて効率化が進むことが期待されている。

 もう一つの側面は、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、主に応募者側の企業に対する期待値向上やコンバージョン対策(採用プロセスからの離脱を抑える)の動きが見られるためだ。端的にいえば、応募者目線で非常にストレスがたまる非効率なコミュニケーションや前時代的な業務手続きを改善しないことには、有望な応募者を取りこぼしてしまうだろう。

 多くの消費者にとって、各種SNSでのバーチャルコミュニケーション、アマゾンや楽天、Uber Eatsに代表されるデジタル市場での購買体験が日常化している。採用の市場でも同様に、SNSや現代的なテクノロジーを利用することを応募者側が望んでいる。

photo

 一方で、日本は特殊な採用市場であり、これまで採用テックをけん引してきた米国市場や他先進国とは違う見方があることも事実である。日本ではいまだ新卒一括採用が中心であり、マイナビやリクナビなどの大手採用支援プラットフォームが企業と学生双方のニーズを集めて、ある意味寡占市場になっている。また、中途採用は採用エージェント経由に極端に偏っており、企業への直接応募やLinkedInなどのSNS経由の採用が欧米に比べればまだ進んでいない。

 しかし、今後は日本でも採用テックで大きな飛躍があると筆者は予想している。

 その後押しになるのが、政官民が推進するDXである。ポストコロナのリバウンド景気と少子高齢化社会を考えると、日本でも今後、慢性的な人手不足が懸念される。成長著しいハイテク企業など採用を旺盛に進める業種に加えて、不景気業種でもデジタルシフトに呼応するため、デジタル人材だけは採用意欲が高い。

 これまでの自社の新卒採用育成モデルではなかなか育成できないデジタルABC人材、つまりA(アナリティクス)・B(ビッグデータ)・C(クラウド)ができる人達を、各社が中途採用で積極的に採用しようとしている。これまでの手法では、デジタル人材の採用が困難であることは明らかだ。デジタル人材の応募者たちもそこで働くイメージ、活躍できるイメージはできないだろう。

 もう一つの背景は、人事部門がコストセンターである以上、採用業務は拡大の一途でも人海戦術を見直し、自動化、省人化して効率化、コスト削減することが求められるからである。前述のコアHCMでは、従来型のオンプレミス型人事システムがテクノロジーリスクにさらされる前に、新しいクラウドソリューションに刷新する動き(いわゆる2025年問題)が日本でも活発だ。それに連動する形で採用テックも導入し、シームレスに採用からコアHCMへ、そこからタレントマネジメントへと、HRテック3本柱を一貫して導入する先進企業も日本市場で出てきている。

(後編に続く)

(参考文献)Worldwide Talent Acquisition Technologies and Services Forecast, 2021–2025(IDC)、Q3 2020 HR Tech Global VC Update(WorkTech)、HR Technology 世界の人事が注目する「HRテクノロジー」2019−2020(リクルートワークス研究所)、HRテック:採用(Speeda)

著者紹介:鵜澤 慎一郎

EY アジアパシフィックピープル・アドバイザリー・サービス 日本地域代表

ビジネス・ブレークスルー大学大学院経営学研究科(MBA)客員教授

事業会社およびコンサルティング会社で20年以上の人事変革経験を持ち、専門領域は人事戦略策定、HRトランスフォーメーション、チェンジマネジメント、デジタル人事。グローバルトップコンサルティングファームのHR Transformation 事業責任者やアジアパシフィック7カ国のHRコンサルティング推進責任者経験を経て、2017年4月より現職。EYと同時に20年9月からビジネス・ブレークスルー大学大学院経営学研究科(MBA)客員教授に就任し、人事戦略論を担当。主な著書に「ワークスタイル変革」(労務行政・共著)、「HRDXの教科書‐デジタル時代の人事戦略」(日本能率協会マネジメントセンター・共著)が21年11月に発売予定。

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