
市場の関心は経済対策に移る
自民党が予想外に多くの議席を得た衆院選の結果を受けて、1日の東京市場で株価は大幅高となった。金融市場は不確実性を嫌うため、この株高は大きなイベントを通過したことと、現在の安定した政権の枠組みが維持されることを好感した側面が強い。また、コロナ対策を中心とする巨額の経済対策への期待もあるのだろう。 個人への給付金については、自民党は経済的弱者に的を絞った給付を検討している。連立与党の公明党は、0歳から高校3年生に一律10万円の給付を掲げているが、自民党が単独過半数、絶対安定多数の議席を得たことから、自民党案に近いコロナ対策になる可能性がより高まるのではないか。 他方、岸田政権は公約に掲げてきた数10兆円規模の経済対策の実現に動くだろう。その中身は未だ明らかではないが、規模ありきでコロナ対策としての有効性を欠く内容である場合には、金融市場の評価は厳しくなるだろう。 当面の金融市場の関心は、この追加経済対策、補正予算に向けられるはずだ。規模によっては債券市場が悪く反応し、金利上昇が一転して株価を調整させる、あるいは円高圧力を高める可能性もあるだろう。債券市場の安定の観点からはいたずらに規模の拡大を目指さずに、今年度予算の巨額の繰越金を再度精査し不要な予算を減額補正することで補正予算全体の規模を抑えること、コロナ対策の財源確保の議論を始めることを評価するのではないか。
市場は成長戦略、構造改革にも期待か
今回の選挙では、与野党ともに分配政策を経済政策の柱に掲げ、格差縮小、賃上げを主張した。しかしその中で、改革の必要性も強調した日本維新の会が議席数を大きく増やした点は見逃せない。国民は必ずしも短期的な所得増加ばかりを望んでいる訳ではなく、持続的な賃金上昇にもつながるような経済の潜在力向上に期待している面があることを、この結果は示唆しているのかもしれない。 岸田政権が経済政策の比重を分配から、経済の潜在力向上を促す成長戦略、構造改革、規制改革などに移していけば、それは国民だけでなく株式市場でも一定の評価を得るのではないか。
衆院選後の金融市場の注目点(NRI研究員の時事解説) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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