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Wednesday, July 13, 2022

不二家の新商品は失敗知らず? AIで洋菓子の流行りが分かる「需要予測」のスゴイ効果 - ビジネス+IT

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不二家が挑戦している新商品の需要予測AIはなぜ難易度が高いのか、何を企業にもたらすのか、特徴や課題について解説する

(写真:西村尚己/アフロ)


需要予測AIで何が変わる? これまでの方法と比較する

 需要予測とは、顧客からオーダーを受ける前に製品やサービス(商品)の需要を予測することよって、顧客が望むタイミングに商品を提供できるようにすることです。

 従来は各業界のビジネスパーソンが統計学などを駆使しながら商品の過去の需要を分析し、予測してきました。しかし、新型コロナによるパンデミックや増加する異常気象、SNSを使った新しいマーケティングコミュニケーションの登場など、商品の需要に関連する因果関係が複雑になり、多くの企業が需要予測の精度に悩みを抱えています。

 そこで、この複雑になっている因果関係、つまりは需要に関連する原因となる各要素に対応する必要が出てきました。

 しかし、既存商品の需要予測に使われてきたこれまでの時系列モデルは、過去実績から需要の下記4点を可視化するものでした。

  1. (1)水準
  2. (2)傾向(トレンド)
  3. (3)季節性(パターン)
  4. (4)ノイズ(ランダムな微細変動)

 代表的な時系列モデルとしてはARIMAモデル(自己回帰和分移動平均モデル、注1)やホルト・ウィンターズ法 (Holt-Winters method、3重指数平滑化法、注2)といったものがあります。しかしこれらは、原因となる要素が需要にどれくらいの影響を与えるのか推定するものではありません。

 時系列モデルでは、ウイルスの感染状況の程度感やマーケティング投資の規模感、気象条件など細かい原因要素について考慮することが難しいのです。こうした背景を踏まえ、大量にある原因要素に対応するため、需要予測にAIが使われ始めています。

難易度高い新商品の需要予測に「不二家」が挑戦する理由とは

 大手洋菓子メーカーの不二家も、需要予測AIにチャレンジしている企業の1つです。2022年4月に公開された記事では、2019年に需要予測AIの取り組みを開始し、今年から実務運用を開始したと書かれています。
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不二家が取り組む需要予測AIの対象は約400の洋菓子だが、その半分は予測の難易度が高い新商品を対象としている。

(Photo/Getty Images)


 筆者も化粧品の新商品を対象に需要予測AIの開発を主導してきました。さまざまなAIツールの調査を2017年から始めたものの、モデルが完成し、実務運用を開始できたのは2020年でした。これらの事例から、需要予測AIの本格運用までには数年以上かかるのが現状であり、このスケジュール感を念頭に投資を検討する必要があると言えるでしょう。

 不二家の事例では、約400の洋菓子を対象としていますが、その半分程度は新商品です。前回の記事で紹介した小売店における来店客数の予測よりも難易度が高い取り組みになります。

 新商品の需要予測は過去実績がないために難しく、発売されている(実績が蓄積されている)既存商品と比較して、予測誤差率(実績と予測の差を実績で割って評価する精度指標)が2~3倍以上になると、さまざまな業界で言われています。つまり、新商品の予測精度には改善の余地が大きく、不二家はここを狙うことで品切れや過剰在庫を大きく減らし、サービスレベルと経営効率の大幅な向上を目指していると考えられます。ではどのようにして需要予測AIを活用していくのでしょうか。

【次ページ】不二家の需要予測AIが「成功する」と言えるワケ

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